2018年1月の記事一覧

年頭のご挨拶

金重利彦  

耐火物技術協会会員の皆様,新年あけましておめで とうございます。

 2018年の新春を迎えるにあたり,謹んで新年のご挨 拶を申し上げます。

 昨年の耐火物業界を取り巻く環境は,ユーザー様の 旺盛な需要に恵まれ,生産量は堅調に推移して参りま した。しかしながら,中国国内の環境規制に端を発し た鉱山採掘の休止や焼成,電融工場の操業停止など, 耐火物原料,特に中国への依存度が高いマグネシア原 料においては調達先の確保,さらには急激な価格高騰 に見舞われ,耐火物をご使用頂くユーザー様にもご心 配をお掛けした 1 年でした。この影響は中国国内や耐 火物原料の中国依存度が高い日本のみならず,グロー バル化しています。この状況は本年も続くものと思わ れ,リスク管理やサプライチェーンの多様化が要求さ れる 1 年になると想定されます。現状の原料環境を打 破するため,新しい組成の耐火物の開発や使用方法の 検討を行いつつ,ユーザーの皆様とともに具現化する ことは,我々耐火物技術者の使命であり,技術者冥利 に尽きるのではないでしょうか。

 耐火物技術協会は,健全な財政運営を行うため, 1983年から34年間据え置いていた会費の値上げを,本 年 4 月より行うことに決定致しました。会員皆様のご 支援やご協力があってこそ成り立っている協会です。 末永く協会活動を継続し,会員各社および会員各位に 最大限の技術メリットを提供するための会費値上げの 決定に対しましてご理解を賜りたく,本誌紙面をお借 りしてお願い申し上げます。同時に,耐火物誌の WEB化も実施致しますので,リニューアルされた耐 火物技術協会のホームページも合わせ,幅広いご活用 を図って頂くとともに,協会会員数の増加に対する活 動へのご協力をよろしくお願い致します。

 また,第71回の通常総会と学術年次講演会を, 4 月 23日, 4 月24日の 2 日間,岡山国際交流センターにて 開催予定です。岡山駅から徒歩 3 分の利便性の高い会 場ですので,多くの方々のご出席を賜るべく,開催元 である中四国支部のみならず,組織全体で盛り立てて 参る所存です。

 次に,2019年10月13日から10月16日の 4 日間,日本 にて開催される「UNITECR 2019」の会場がパシフィ コ横浜に決定し,黒崎播磨社の黒田UNITECR組織委 員長のもと,昨年 4 月より実行委員会の活動を開始し ました。黒田組織委員長,前田事務局長,細田専務理 事には,昨年 9 月にチリのサンチャゴで開催された 「UNITECR 2017」にご出席頂き,2019年の開催場所 である港町横浜と会場の紹介,テーマ(Refractories for the Future: Collaboration among Customers, Manufactures and Academia)およびコンセプトデザ インを発表致しました。各国の皆様に好評を博した黒 田組織委員長のプレゼンテーションに感謝申し上げま す。全世界の耐火物関係者に横浜へお越し頂き,未来 に向けての新たな耐火物技術を発信するための会場設 営と,日本的な「おもてなし」をご満喫頂くための運 営方法などにつきまして,粛々と準備を重ねておりま す。決定事項などは,その都度ホームページを更新し ておりますので,ご確認頂ければ幸いです。また,会 員の皆様や協賛企業の皆様には何かとご協力を頂くこ とになりますが,「UNITECR 2019 at Yokohama」の 成功に向けた活動にも,ご理解とご支援をよろしくお 願い申し上げます。

 末尾となりましたが,耐火物関連メーカーやユーザ ーの皆様,耐火物技術協会の会員の皆様方におかれま しては,ご健康でご多幸な実りのある 1 年となります ことを祈念申し上げます

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