テーマ案例の詳細
熱力学特性(1) 耐火物内の反応 
1. MgO-C の酸化,及び MgO-C 反応の原理と検証(測定)手法
 MgO-C 質耐火物の損耗原因に酸化による耐火物組織劣化や製鋼の超高温操業の影響が大きい MgO-C 反応による劣化など,反応速度/各種ガス分圧など含む基本メカニズムが未だ解明されているとは言い難い,特に検証/ラボ評価方法の確立が急がれる。これら基本メカニズムの解明は次世代 MgO-C 質耐火物開発へ寄与すると考えられる。
2. 炭素含有耐火物の高温挙動(物性,組織変化)に関する研究
 高温下の炭素含有耐火物組織中でどのような変化が起きているのか?その現象詳細と耐火物のマクロ物性に及ぼす影響等についての研究。
3. MgO-C 反応における添加金属の影響
 いわゆる“MgO-C 反応”は,MgO の C による還元,Mg(g)の蒸発と理解され,酸素分圧の関数となる.酸素分圧の形成には添加金属も寄与.その定量化.気孔内での CO(g),Mg(g)の飽和状態と,その反応速度への影響.耐火物表面での酸素分圧の変化とそれに伴う MgO の再析出などの反応の定量化.速度論.
4. アルミナ・マグネシア質流し込み材におけるスピネル形成機構解析
 該流し込み材中でのアルミナとマグネシアから形成されるスピネルの反応,形成機構解析.速度論.それらと組織形成の関係.熱間での物性との関係.それらを基にした組織制御.熱間特性改善など.さらに,原料段階でスピネル化されたアルミナ・スピネル系材料との相違.


熱力学特性(2)スラグ・金属との反応
5. 金属含有耐火物の温度、れんが内分圧などと金属の反応生成物の熱力学を絡めた定性、定量化
 金属を含有する低熱処理耐火物は、その特性に及ぼす含有金属の影響が現象論では知見が増えて来ているが、金属の反応生成、及びそれらが低熱処理耐火物の特性に及ぼす効果の基本メカニズムの検証が不充分である。温度、れんが内分圧などと金属の反応生成物の熱力学を絡めた定性、定量化の確立が金属含有耐火物の特性改善へ寄与すると考えられる。
6. “耐火物”の溶損メカニズム
 均質体の溶損は拡散律速と考えて良い.粗粒,中粒,微粉と気孔からなる組織を持つ“耐火物”の溶損はもっと複雑.その複雑さをメカニズムとともに定量化する.マトリックス部での不純物の影響.粗粒部でのマトリックスの影響.耐食性向上のための手段---マトリックスの耐食性を上げることが有利か,骨材のそれが有利か?等 耐食性向上のための粒度設計へ発展
7. 耐火物のエロージョン評価方法(高温スラグによる摩耗と溶損)
 耐火物は高温で溶融金属、スラグ等の流体に接触して、摩耗と反応溶融による侵食を受けるケースが多くある。この侵食に対する抵抗性(耐食性)を評価するため、従来から回転ドラム侵食試験法や高周波誘導炉侵食試験法が用いられてきたが、特に摩耗侵食に対する評価が十分とはいえない。高温スラグ等による溶損と摩耗侵食を簡便に評価できる試験方法の開発研究。

8. 含炭素耐火物の各種スラグに対する損耗機構の研究
(各種酸化物素材のスラグ成分、温度に対する損耗に、炭素がどのようにかかわっているかを基礎的に解明する研究)
 炭素を含有する耐火物では、スラグ成分、マグネシア、アルミナなどの酸化物材料、および炭素の三者がそれぞれお互いに反応し、さらにスラグ成分、温度などの要因が複雑に絡み合って損耗していると考えられる。これら各要因の損耗に対する影響度を定量化し損耗機構を明らかにする。
9. 耐火物-溶鋼スラグ間反応の熱力学的、界面科学的 研究
10. 溶湯、スラグと基本的耐火物素材とのぬれに関する研究
~温度、雰囲気、素材等のパラメータに関して、濡れ角など基礎データ蓄積マクロ的視点
○濡れ角の各パラメーターに対する変化、データ蓄積
パラメーター ①耐火物素材組成(ALO3,SiO2,MgO,ZrO2,SiC,C,等)
                     付:微量不純物の影響 Na2O,CaO,等
       ②溶湯組成、スラグ組成
       ③温度、雰囲気(酸素分圧、等)
ミクロ的視点
○界面のミクロ的観察、測定等も含めて、「ぬれ」とは何かの追求
11. 最近の[B],[Mn],[Nb],[Bi]他,特殊元素を多量に含む特殊鋼と耐火性酸化物との濡れ性の定性,定量化
 耐火物の損傷メカニズムの一つに耐火物組織中への溶鋼浸潤による耐火物組織劣化がある。溶鋼浸潤抑制手法は種々考えられるが,近年増加する特殊鋼を含む溶鋼と耐火性酸化物の濡れ性の関係を詳細に研究することで溶鋼浸潤抑制の新たな知見が得られる可能性がある。
12. 耐火物へのスラグ浸透の気孔組織,組成変化を考慮した速度論的解析
 耐火物の気孔へ浸透したスラグは,耐火物組成に応じて組成変化し,同時に組織変化する.一方,気孔径には分布があり,スラグの浸透は組織内を浸透面から均等な距離で起こるわけではない.また,耐火物は通常,スラグ浸透方向に温度が低下するように温度勾配がある.このような状況下でのスラグ浸透モデルの構築.

熱力学特性その他
13. MgOCr2O3、アルクロ等の Cr2O3を含む耐火物の 6 価クロム生成防止
(使用方法と使用後廃残物処理の正しい方法による6価クロムの発生防止)
マグクロ及びアルクロ等 Cr2O3は有用な耐火物ですが、6価クロムを生成する可能性がある為、クロムフリー耐火物の研究が盛んですが、Cr2O3含有耐火物の使用上及び廃棄上の制約を具体的に詳しく研究し解明すれば、クロムフリーの問題はなくなり、耐火物使用上の幅が広がる。
14. 塩基性焼成れんがのスレーキングメカニズムと抑制方法の研究
例えば、マグネシア-スピネル焼成れんがの場合、マグネシアにスピネルを添加すると室温保存時のスレーキング抵抗性が低下する場合があり、このスレーキング機構の解明。添加物により抑制される可能性があり、抑制されるメカニズムの研究。
セメントキルン用マグネシア-スピネル焼成れんがは長期保管するとスレーキンングによる亀裂が発生する。マグネシアにスピネルクリンカーを添加するとスレーキング抵抗性が低下するケースもある。一方,ある種の添加物で抑制されたケースもある。0.6-1 年間保管することが常であるため,これらのスレーキング機構を解明し,抑制方法の研究を行うことは,資源保護の観点から必要不可欠である。


熱応力解析
15. 溶損が進行し,耐火物の厚さが変化した際の熱応力変化に関する数値解析
 不焼成材料を想定.加熱により,物性値変化.溶損により内部温度上昇.熱応力変化.高温に保たれることによる熱間塑性変形による応力緩和.非線形熱応力解析.併せて,上記状態である程度の厚さのスポーリングが発生した場合の応力変化解析.これらによる,適切な仮定の下で耐火物の寿命予測.上記寿命に対する熱膨張率,弾性率,耐食性などの寄与の(半)定量的な見積もり. 等機械的特性
16. 耐火物の破壊メカニズム、破壊抵抗性の評価方法
 過去破壊メカニズム、破壊抵抗性の評価方法など研究された例があるが、その評価測定法の難易度の高さ、熱間での評価の困難さなどから一般化していない。一方耐火物は、材料非均質性、材料非線形性などの材料特性が故に高い耐熱衝撃性を有している。破壊メカニズムや破壊抵抗性の評価方法の研究進展と耐火物組織と関連の研究が進むことで、より高機能の耐火物開発の促進が期待される。
17. 耐火物の破壊靭性と破壊損傷抵抗を正確に求める手法の研究
弾性率、破壊エネルギー等の測定方法の適正化、その他測定方法の検討と開発セメントキルンのような可動炉に使用される耐火物は,常にキルンの鉄皮やれんが同士による応力を受ける。加えて,熱膨張応力による拘束作用が応力を助長する。このような条件を想定した耐火物の熱間弾性率や破壊エネルギー等を測定する適正かつ正確な方法がない。また,繰り返し作用する応力に対して適応する耐火物組織とこれらの数値の関係の在り方も重要な研究課題である。
18. 耐火物のような不均質複合材料の熱的機械的応力に対する破壊確率の評価方法
耐火物は異なる成分、異なる粒径の粒子を多数複合し、また内部に多数の気孔、欠陥を包含した不均質脆性材料である。このような不均質な材料に熱応力や機械的応力が負荷された場合に、内部欠陥の拡大、進展、マクロ的な亀裂の発生により破壊に至る過程を実験的に、あるいはモデル的に解析し、破壊に至る確率を予想し得るような手法の研究。
19. 耐火物材料の熱機械的特性データの蓄積と破壊力学モデルの構築のための測定方法検討
耐火物は非線形応答材料であり、例えば温度、ひずみ速度によってその変形、破壊挙動は大きく異なるようにおもう.熱応力破壊の場合には亀裂進展速度は遅いが,ランスの振動による破壊などは進展速度が遅い.FEM による熱応力、熱伝導解析を実施するためには、統一された試験方法での基礎的な材料物性データ の蓄積が必要である。また,データ蓄積のためには,標準化された(推奨される)測定方法が必要であると考える.そのための推奨測定方法を提案して欲しい.これらのデータは業界全体の資産となる。試験に必要な材料は企業から提供する。
20. 耐火物評価方法;耐スポーリング性テスト耐火物評価方法:耐 Spalling 性テスト(松尾陽太郎教授、NSCの池本様等)
耐火物誌 56〔1〕2004p32 連鋳用耐火物の熱衝撃破壊とその統計理論的解析
耐火物誌 56〔3〕2004p 連鋳用耐火物の熱衝撃破壊における亀裂の観察
耐火物誌 56〔8〕2004p387 連鋳用耐火物の熱スポール破壊統計解析
(2002年耐火物誌に熱衝撃破壊理論を松尾陽太郎教授が掲載されています)
上記評価方法を標準化する為に補足する研究があれば、推進して欲しい。折角立派な新耐スポーリング性テストを提案されているので、一般化してないのは何故か。何か補足すれば、もっと一般的に使われる評価方法になるのではないか。又浸漬ノズル以外に適用する為にはこの評価方法をどう拡張していけば良いのか進めた欲しい。
21. 構造スポーリングの評価方法
 スラグ浸潤を考慮したスポール試験方法の規格化。熱スポールについては,加熱冷却の繰り返し等の方法があるが,簡便に構造スポーリングをテストする方法は考案されておらず、この評価方法の開発が望まれる。
22. 耐火断熱煉瓦のスポーリング特性の定量的評価
現在「JIS R 2657 耐火煉瓦及び耐火断熱れんがのスポーリング試験方法」に規定されている、試験方法は得られる結果が定性的で、試験に時間がかかる。例えば、Acoustic Emission(AE)を利用して、より定量的な耐スポーリング性試験方法を開発して欲しい。

23. 耐火物の高温弾性率に関する研究
~耐火物の熱衝撃抵抗性に深く関係する弾性率が温度とともにどう変化し、どんな値をとるのか?基礎データの蓄積
 耐火物の代表的な損傷形態の一つ、熱衝撃破壊(スポーリング)に対して、近年コンピュータの普及とともに、相当な程度まで、容易に応力解析的アプローチが可能になってきたが、同時に、そこに用いられる特性値の精度の高さが応力解析の有効性を左右する結果となってきている。耐熱衝撃性に大きく影響する測定の難しい弾性率のデータを蓄積する。
○曲げ弾性率の温度依存性 常温から高温 各温度における弾性率測定   
 *場合によっては弾性挙動の喪失温度、レオロジー的追求等も視野に
24. 耐火物の高靱性化
 耐熱スポーリング性の向上のためには破壊靱性値の向上がひとつの手段.近年発達したセラミックスの高靱性化機構を耐火物に応用.粒子によるブリッジングなどの“遮蔽効果”の利用.R 効果を最大限に引き出すための材料設計.粗骨材(粗大粒)の添加効果に関する定量的な評価とその機構.
25. 熱間での耐摩耗性評価方法(非酸化物系耐火物も含む)
 耐火物は熱間でダスト等を含んだガス流体による摩耗損傷、粉状・塊状の固体による衝突摩耗損傷を受ける場合が多くあり、耐火物の熱間での耐摩耗性は重要な特性である。常温での耐摩耗性評価方法としては、ASTMで標準化された試験方法があるが、熱間での特性評価は困難である。還元雰囲気で使用される非酸化物系も含めた耐火物について、熱間での耐摩耗性を評価する試験方法の開発研究。


伝熱解析
26. 高温下で低熱伝導性を示す材料や組織等の在り方の研究
例えば、炉内から2層目に利用可能で、熱伝導率:0.1W/K、1500℃の再加熱収縮率が 2%以下を満たす、材料、組織などのあるべき姿の研究炉内最内層に使用される緻密質耐火物の熱伝導率をい低減する手法の研究高温焼成炉の最内層または第2層目に利用可能な超断熱性の材料の探索,あるいは超断熱性を示す組織の在り方を研究し,省エネルギーに寄与する。目標の一例として,1500℃の条件下で,熱伝導率が 0.1W/K 以下,再加熱収縮率下が 2%以下(出来れば 1%以下)を満たすことが出来れば,エネルギー消費の節減に画期的に寄与できる。既存のファイバー材料は1500℃で熱伝導率は 0.20-0.25W/K である。最内層に使用する断熱材料は,蒸発物などの侵入抑制の観点から,気孔径を出来る限り小さくする組織形成技術が必要。
27. 各種耐火物の溶鋼及びガス媒体に対する熱伝達率の測定
窯炉の熱解析で必要になる熱伝達率は、現状では、パラメーターとして扱い、そのオーダーすら定かでない。その為に、数値解析で得られる窯炉内温度及びそれを用いて解析される熱応力値には大きな誤差が推定される。そこで、実炉を想定した各種条件を設定して熱伝達率を求めることが必要になる。測定方法を開発すること、さらに、データを得ることが具体的なテーマになる。一例として、溶銑が樋を流れるとき、あるいは、溶鋼が浸漬ノズル内管を流れるときの熱伝達率を得ること等が挙げられる。
28. 方向性のあるセラミックファイバー製品の熱伝導率測定方法の開発
現在「JIS A 平板直説法」に近い方法で 200℃~700℃近くまで測定しているが、測定に時間がかかるのと、測定温度が 7000℃程度に限定されてしまう。より高温まで簡便に測定可能な、測定方法の開発が望まれる。

不定形:混練から乾燥
29. 流し込み材の硬化機構の解析
 流し込み材の硬化機構は,コロイド化した超微粉セラミック粒子の Ca イオンによるゾルゲル反応と推定.硬化のメカニズムを更に定量化.添加剤(分散剤)等の硬化時間に及ぼす影響とメカニズム. 硬化時間におよぼす各種アニオン,カチオンの影響.
30. 流し込み材に添加した金属 Al の酸化による水素発生メカニズムと速度論的解析
 混練施工後,一定時間たった後で水素ガスが発生する.等温解析.潜伏期間のメカニズム.p H 変化などにより,酸化速度が変化するのか.粒子の大きさ,硬化時間との関係などの解析.硬化の過程でガス発生によって形成される気孔組織.通気性との関係.ガス発生速度量との関係.ガス発生の最適設計.
31. 流し込み材混練中に巻き込まれる微細な泡の挙動と組織形成への影響
 流し込み材に水を添加してミキサーで混練する際,微細な泡が巻き込まれる.混練された流し込み材中での泡の挙動とそれらの存在が流し込み材の流動性に及ぼす影響.泡の合体.硬化後の流し込み材の組織形成に及ぼす泡の影響.
32. 不定形耐火物の養生条件(温度,湿度,時間,養生時の乾燥等)と物性の関係
 土木関係では,『JASS5 鉄筋コンクリート工事』のように気温によって型枠の存置期間(養生期間)が定められている。不定形耐火物においても最低限の養生条件を規格化する。材料ごとに最適な養生条件は異なるのか?等々について。
33. 緻密質キャスタブルの乾燥時の耐爆裂性評価方法(品質特性と耐爆裂性の関係)
 不定形耐火物の中でキャスタブルは、ローセメントキャスタブル等の緻密化技術の導入により、性能が向上し使用用途が大きく拡大してきた。しかし、緻密化に伴って、乾燥時に内部蒸気圧の上昇による爆裂現象が発生するようになり、使用上の大きな障害となっている。これまで緻密質キャスタブルの耐爆裂性を評価するため、通気率(高圧試験)、養生後強度、熱伝導率等の関係について検討されてきたが、適切で簡便な評価方法が見出せていない。緻密質キャスタブルの耐爆裂性評価方法の開発研究。


基礎・先端・原料
34. 耐火物の評価に関する研究
 ~実験室の評価と実炉での評価 なぜこんなに違うのか?実炉での評価により適合した評価方法の研究
異なる理由、実験条件に対する示唆
 いろいろな実験室的評価方法と実炉結果との整合性について、特に、整合しない要因検討
○サンプリング要因(実験室と実炉、特に不定形における材料組織形成過程)
○雰囲気の影響(例えば、浸食試験における雰囲気の影響 等)
○スケールファクター(空間的、時間的因子 特に長時間の要素を短時間でどうシミュレーション
するか?等)
○その他
35. 不純物を今まで以上に制御すると耐火物はどうなるか。
 耐火物は天然原料から、不純物の少ない出発物質からつくる焼結,電融原料にすることにより耐食性を高めてきた。また流し込み材などは、原料の可溶性の不純物を減らす、コントロールすることにより、流動性、硬化時間のバラツキが減少する。
 これら耐火物原料の不純物を今まで以上に(ファインセラミックス程度に)コントロールすると耐食性,焼結性,流動性等にどの様な変化が現れるか。また耐火物にどの不純物がどの様な影響を与えているか。
36. 耐火物用新原料の研究
耐火物原料として単一酸化物の他、ジルコン、ムライト、スピネルなどの複合酸化物が知られているが、この他 MgO-ZrO2、スピネル-ZrO2 など2成分、3成分を含む新規な複合酸化物の合成とその耐火物原料としてのキャラクタリゼーション(合成原料の組織、熱膨張、スラグ・溶融金属に対する耐食性などの基礎特性)。一般的に耐スラグ侵食性に優れるとされる酸化クロムに代替し得る複合原料の提案。カーボンの酸化防止に効果のある添加物(炭化物、金属など)、手法の研究。
37. 硼化物,窒化物の耐火物への応用
現在窒化珪素、窒化硼素などの窒化物あるいは硼化カルシウムなどの非酸化物が一部の耐火物に副原料あるいは添加物として使用されているが、これら非酸化物高温材料の合成と、熱間での安定性、スラグ・溶融金属に対する濡れや耐食性、熱膨張、熱伝導率などの基礎特性の把握と焼結方法に関する研究。
38.耐火物の組織構造の通気性付与技術 
焼成用道具類として使用される耐火物は、薄板状で、強度があり、熱衝撃抵抗性が必要とされる。近年は、被焼成物に含まれるバインダー量の増加と焼成速度の加速により、乾燥・焼成時にスムーズな脱溶剤や脱バインダーを促進する組織を持つ道具類が要求されている。このためには、通気性をもつ耐火物組織に気孔をコントロールする技術が望まれている。