会長挨拶

就任挨拶

会長 金重利彦
 

本年4月24日に名古屋工業大学で開催されました総会におきまして,平前会長の後任として,耐火物技術協会の会長の大任を仰せつかりました。
 耐火物技術協会の総会も今回で第70回を迎え,節目の年に会長を務めることになり,身の引き締まる思いであります。多くの諸先輩方の努力と協調により築かれ,歴史を重ねている本協会の発展のため,微力ながら全力を尽くす所存ですので,今後とも会員皆様方の益々のご支援ご鞭撻を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。
 さて,耐火物業界を取り巻く環境は,昨今の経済情勢に大きく左右されてはいますが,国内需要の底堅さに支えられ,耐火物生産量には恵まれている状況です。一方,技術革新という視点では横ばい状態にあるのではと思います。会員皆様の全智を集中し,世界に冠たる日本の耐火物技術にさらに磨きを掛け、発信していこうではありませんか。
 その中,耐火物技術協会は,昨年度まで懸案であった「標準化委員会」の在り方を見直す改革に着手し,会員および関係各位の賛同を得た上で本年度より新規約にて運営を開始致します。さらには「IT委員会」では、耐火物誌WEB化の検討を開始し,来年4月からWEB発信できる見込みとなっています。それぞれ,黒崎播磨社の平前会長および大光炉材社の石川委員長の並々ならぬご努力,ご尽力の賜物だと思います。本誌面をお借りして御礼申し上げます。
 また,「UNITECR 2019」の開催が、2019年10月に「パシフィコ横浜」を会場とすることに決定しました。準備委員会を昨年度に立ち上げ,黒崎播磨社の黒田UNITECR組織委員長のもと,本年4月より実行委員会が発足致しました。今後,大会成功に向けた活動を展開致します。
 さて,耐火物技術協会の本年度の事業計画ですが,キーワードは「健全な財務基盤の下,会員各社・会員各位に最大限の技術的メリットを提供する」です。運営は標準物質や書籍などの売上と会費により成り立っています。財務基盤の健全化のため,標準物質の価格体系の見直しにご賛同やご協力が得られ,本年4月より新価格での販売を開始致します。また書籍関係は,一昨年度に発行した「耐火物手帳改訂12版」が継続的に購入され,昨年度発刊した「高温耐熱材料のポイント解説」も含め販売数は堅調に推移しています。新入社員や新たに耐火物に関係する方々の教育および啓蒙テキストとして今後とも普及することを願っています。一方賛助会員や個人会員は,昨年度に若干増加に転じたものの,諸般の事情で本年度は減少が予想されます。耐火物技術協会の活動や技術的サービスをご理解頂きました上で,会員増加を図って行くために,皆様のお力添えを頂戴致したく宜しくお願い申し上げます。
 新たな活動としましては、「標準化委員会」として、珪石標準物質の新シリーズ(JRRM220)の成績書や取扱説明書などの整備を急ぎ,頒布体制を一刻も早く整備致します。さらには、高アルミナ質標準物質の製造にも着手致します。また「編集委員会」として,耐火物9月特集号のテーマを「無機物質が寄与する化学反応」として,固相―固相反応や固相―気相反応など幅広い内容を企画しています。化学反応に対する理解の深化と若手技術者の啓発にお役立て頂ければ幸いです。
 また,「IT委員会」にて検討頂いていた耐火物誌WEB化の来年4月始動に向けて,「企画委員会」と「編集委員会」が連携してオンスケジュールで遂行しつつ,前述した会員増強施策にも役立てるホームページへ全面的にリニューアルしていく所存です。今後とも耐火物技術協会は会員皆様方にお役に立つ活動を展開し,皆様方のご希望やご期待に対応すべく開かれた協会を目指して参ります。
 今後とも会員皆様方からのご意見などをお待ち申し上げております。

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