ナ行
用語  読み方  意    味  対応英語 
内部応力 ないぶおうりょく 材料内部に膨張,収縮など外力以外の原因によって生じる応力。 internal stress
中子 なかご 鋳込みにより中空部やオーバーハング部を造るとき,その部分に材料がはいらないように成形予定部分の中に置くもの。 core/ former
流し込み ながしこみ 1)混練したキャスタブルやコンクリート等を所定の場所へ送り込んでそのまま硬化させる作業。充填率を高める為,棒状バイブレーターや振動機付型枠を使用することが多い。2)泥漿状の材料や溶融した材料を鋳型に注入すること。鋳込みともいう。 casting
流し込み材 ながしこみざい 流し込み施工できる不定形耐火物の総称。→キャスタブル耐火物 castable
流しとろ ながしとろ 赤煉瓦積みにおいて,流動性を高めたモルタルを縦目地に流し込む方法。またそのモルタル。通常,耐火煉瓦積みには使わない。 grouting/ grout
長手 ながて 直方体(類似形状含む)煉瓦の平面(最大面)から見て長さ方向の側面のことで,長手面ともいう。並形煉瓦では230×65mmの面。 stretcher / narrow side / long side /long narrow side
長手抱き ながてだき 標準形煉瓦の長手面を迫り抱き口とした迫り受け煉瓦。 stretcher skewback brick
長手積み ながてづみ 平積みの一種で,平面(最大の面,並形では230×114mmの面)を上下に据え,長手面(並形では230×65mmの面)が正面に現れる積み方。 →平積み,小口積み Stretcher bond / running bond / stretchercourse
長手二丁 ながてにちょう 並形煉瓦の2倍の長さを有する煉瓦。(460×114×65mmの直方体) double length straight
七五分 ななごうぶ 並形煉瓦を長さ方向に3/4に切ったもの。 three quarter bat
生角 なまかく プレス成形直後で未乾燥の中間製品。 →素地(しらじ) green body
並形煉瓦 なみがたれんが 230×114×65mmの直方体の煉瓦。 straight brick/ standard brick
軟化 なんか 固体物質が軟らかくなり,変形しやすくなる現象。一般的には加熱により生じる現象。融解による形状変化とは区別される。ガラス等明確な融点を持たない物質について使用される。 softening
軟化開始温度 なんかかいしおんど 荷重軟化試験で得られる試験片の温度-高さ変化曲線で,高さ変化が最高となる点(曲線の頂上,試験片が最も膨張した時点)の温度。 apparent initial softening temperature
軟珪石 なんけいせき チャートや砂岩が変成した,粉砕が容易で転移しやすい,珪石原料。 loose sand/ ganister
難黒鉛化性炭素 なんこくえんかせいたんそ 2500℃以上の高温での加熱処理によっても,三次元的積層規則性をもつ黒鉛構造が生成しにくい炭素材。代表的なものとして,フェノールなどの熱硬化性樹脂がある。硬質炭素ともいう。 non-graphitizable carbon
軟質炭素 なんしつたんそ ピッチ系炭素のように,2500℃以上での加熱処理によって黒鉛化しやすい炭素材。→易黒鉛化性炭素 soft carbon
にがり/苦汁 にがり 海水から得られる塩分から食塩分を取除いた成分。塩化マグネシウムを主成分とする。塩基性耐火物のバインダーとなる。 bittern
二五分 にごうぶ 並形煉瓦を長さ方向に4分の1に切ったもの。 quarter bat
二次精錬 にじせいれん 転炉,電気炉などで溶製された鋼を更に高純度化するために精錬すること。設備としてはLF,RH,DH,VOD,AOD等がある。→LF,RH,DH,VOD,AOD secondary refining
二重アーチ にじゅうあーち 壁に開口部を設ける場合に,強さを増すために使い,壁アーチともいう。上方のアーチを力ぜり,下方を主アーチという。 double arch
二次粒子 にじりゅうし 一次粒子が結合し,見掛上さらに大きな粒子となったもの。 aggregated particle
ニーダー にーだー 粘ちょうな材料を混練するのに用いる混練機の一種。混和機ともいう。 kneader
抜出機 ぬきだしき →オーガー auger
濡れ性 ぬれせい 溶融物が耐火物表面へ付着する度合あるいは,耐火物中へ浸透する度合。固液界面の接触角の大きいときは濡れにくいという。→接触角 wettability
熱応力 ねつおうりょく 物体の温度変化による膨張・収縮が妨げられたり不均一となった場合に,物体内に発生する応力のこと。→熱的スポーリング thermal stress
熱拡散率 ねつかくさんりつ 熱伝導率をその物質の比熱と密度の積で除した値。熱伝導微分方程式の係数となる。 thermal diffusivity
熱間回転 /熱間再使用(タンディッシュの) ねっかんかいてん/ねっかんさいしよう 異鋼種連々鋳造(成分の異なる鋼種を連続的に鋳造)時に,タンディッシュを鋼種(grade)毎に交換せず,連続的に使用する操業形態のこと。 continuous recycle tundish in hotcondition / reusing tundish in hot condition
熱間収縮 ねっかんしゅうしゅく 材料が高温度で収縮を起こす現象。 thermal contraction/ shrinkage
熱間強さ ねっかんつよさ 材料の高温下での強さ。引っ張り強さ,曲げ強さ,圧縮強さ等がある。耐火物では熱間曲げ強さ試験がJIS R2656に規定されている。 high temperature strength
熱硬性耐火モルタル ねつこうせいたいかもるたる 耐火粘土,ろう石,ベントナイト等を結合材として,高温に加熱されてセラミックスボンドに使用される耐火モルタル。 heat-setting refractory mortar
熱衝撃試験 ねつしょうげきしけん 耐火物試験片に対し,標準化された条件で加熱と冷却を繰り返し行い,亀裂の有無を比較する試験。耐火物では試験方法がJIS R2657に規定されているほか,パネルスポーリング試験も行われる。 →熱的スポーリング,パネルスポーリング試験 thermal shock test/ heat shock test/spalling test
熱衝撃損傷抵抗 ねつしょうげきそんしょうていこう 熱衝撃によって破壊が起こったとき,耐火物中に,クラックがどの程度まで,進展成長していくかの抵抗性(R””)。弾性率,破壊エネルギー,ポアソン比が大きく,強度が小さいほど損傷抵抗は,大。 thermal shock damage resistance
熱衝撃破壊抵抗 ねつしょうげきはかいていこう 熱衝撃によって破壊が起こったとき,耐火物中に,クラックがどの程度まで,発生し,強度低下するかの抵抗性(R)。弾性率,熱膨張,ポアソン比が小さく,強度が大きいほど破壊抵抗は,大。 thermal shock fracture resistance
熱重量分析 ねつじゅうりょうぶんせき 温度変化に伴う物質の重量変化を測定し,その物質の熱的挙動(分解,反応等)を解析すること。 →熱分析,熱天秤 thermogravimetric analysis (TG,TGA)
熱線法 ねっせんほう 熱伝導率の測定法の一種。2つの試験片の間に発熱線を挟み,これに通電したときの発熱線の温度上昇から熱伝導率を求める方法。耐火物では試験方法がJIS R2251(耐火煉瓦)とJIS R2616(断熱煉瓦)に規定されている。 hot wire method
熱抵抗 ねつていこう 固体内の2点間の距離を熱伝導率と伝熱面積とで除した値。 heat transfer resistance
熱的スポーリング ねつてきすぽーりんぐ 耐火物を急熱,急冷したとき表面と内部の熱膨張の差による応力によって発生する亀裂や剥離。 thermal spalling
熱伝導率 ねつでんどうりつ 単位時間,単位面積を垂直方向に流れる熱量と,この方向の温度勾配との比。 thermal conductivity
熱天秤 ねつてんびん 温度変化に伴う物質の重量変化を測定する装置。熱重量分析に用いる。 →熱重量分析 thermo-balance
熱風炉 ねっぷうろ 蓄熱室内の熱交換により高炉に送風する熱風を得るための炉。 hot-blast stove/ Cowper stove
熱分析 ねつぶんせき 材料の温度変化によって生じる熱の出入り,質量重量変化などを測定し,その材料の熱的挙動(化学変化,相変化等)を解析する方法。 示差熱分析(DTA),熱重量分析(TGA)等がある。 →示差熱分析,熱重量分析 thermal analysis
熱膨張 ねつぼうちょう 温度の上昇とともに生ずる膨張。耐火物では試験方法がJIS R2207に規定されている。 thermal expansion
熱膨張係数 ねつぼうちょうけいすう 単位温度変化当りの物質の膨張する割合。 thermal expansion coefficient
熱容量 ねつようりょう 物体の温度を1℃高めるのに要する熱量。単位はジュール毎ケルビン (J/K)。 heat capacity
熱流法 ねつりゅうほう 熱伝導率の測定法の一種。平板状又は円柱状の試験体に定常熱流を与え温度勾配を測定することにより試験体の熱伝導率を求める方法。耐火物では試験方法がJIS R2251(耐火煉瓦)とJIS R2616(断熱煉瓦)に規定されている。 heat flow method
熱履歴 ねつりれき 物質がその状態に至るまでに受けた熱的な経過。 thermal history
燃焼室 ねんしょうしつ 熱設備において燃料を燃焼させる区画部分の事。 combustion chamber
粘性 ねんせい 運動している流体内部に生ずる運動を止めようとする性質又はその力。 viscosity
粘土 ねんど 通常可塑性があり,粘土鉱物を主成分とする耐火原料のことで,遊離珪酸及びほかの不純物を含む。 clay
粘土質耐火物 ねんどしつたいかぶつ 耐火粘土,又は,ろう石など,これと類似の化学組成をもつ原料を主原料とした耐火物。 fireclay refractories
ノズル煉瓦 のずるれんが 取鍋又はタンディッシュの底部に取り付けられ,ストッパー又はスライディングゲートと組合せて溶鋼の流出口に用いられる煉瓦。 nozzle brick
ノロ のろ → スラグ slag